「昔作った銀行口座がどこにあるか分からない。」
「転勤や引っ越しのたびに口座を作り、そのままになっている。」
そんな預金はありませんか。
10年以上取引のない預金は、「休眠預金等」として一定の手続を経て民間公益活動に活用される仕組みがあります。
預金がなくなるわけではありませんが、長年放置している口座がある方は、この機会に一度確認してみることをおすすめします。
休眠預金とは
休眠預金とは、最後の異動から10年以上経過した預金等をいい、2009年1月以降に最後の異動があった預金等が原則として対象になります。
例えば、通帳の記帳が「異動」に該当するかどうかは金融機関によって異なります。詳しくは、取引のある金融機関に確認してください。
対象となる預金等の種類は普通預金や定期預金、定期積金などです。
一方で、外貨預金や財形貯蓄など、一部対象外となる預金もあります。
2026年も休眠預金への移管が進みます
預金保険機構では、毎年、金融機関から休眠預金として移管される額などを公表しています。
6月30日に公表した資料によると、2025年度に休眠預金として移管された預金は約1,870億円、口座数は約587万口座に達しました。近年は毎年1,500億円から1,900億円程度の預金が、長期間利用されないまま休眠預金として移管されていることが分かります。
「10年前なら最近のこと」と思っていても、結婚や転勤、引っ越しなどを機に利用しなくなった口座が意外と残っているかもしれません。
「休眠預金になる=預金がなくなる」ではありません
休眠預金制度について最も多い誤解が、「預金が没収される」というものです。
実際には、預金保険機構へ資金が移管された後でも、元の金融機関で所定の手続きを行えば、元本と利子相当額を受け取ることができます。
つまり、「引き出せなくなる」わけではなく、払戻しを請求できる期限もありません。
ただし、通帳やキャッシュカードを紛失していたり、住所変更の届出をしていなかったりすると、手続に時間がかかることがあります。
この機会に確認しておきたいこと
休眠預金を防ぐためにも、次の点を確認しておくと安心です。
・長期間利用していない銀行口座はないか
・通帳やキャッシュカードを保管しているか
・金融機関への住所・氏名・電話番号の届出は最新か
・相続などで存在が分からなくなっている口座はないか
最近は金利が上昇し、定期預金の金利も以前より改善しています。
長年眠っていた預金を見つけることができれば、その資金を生活資金や資産形成に有効活用することもできるでしょう。
おわりに
休眠預金制度は、長期間利用されていない預金を社会課題の解決に役立てる仕組みですが、預金者の権利が失われる制度ではありません。
とはいえ、「どこの銀行に口座があっただろう」と思い出すのは、時間が経つほど難しくなります。
相続の手続では、被相続人名義の休眠状態の口座が後から見つかることは決して珍しくありません。生前から利用していない口座を整理しておくことは、ご家族の負担軽減にもつながるでしょう。
年に一度でも構いません。ご自身やご家族の預金口座を見直す機会を設けてみてはいかがでしょうか。それが、大切な資産を守る第一歩につながるかもしれません。