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国税が払えないときはどうする? 「納税の猶予制度」を知っておきたい

物価高や金利上昇、取引先の業績悪化など、企業や個人事業主を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続いています。

こうした経済情勢の変化により、「税金を期限までに納付したいが、資金繰りが厳しい」というケースも少なくありません。

 

国税庁では、納税が困難な場合に利用できる「猶予制度」について案内しています。

単に「滞納になる」という話ではなく、一定の要件を満たせば、差押え等を避けながら納税を分割・猶予できる制度です。

 

今回は、この「納税の猶予制度」について、国税庁の資料をもとに整理してみます。

 

納税の猶予制度とは?

一定の要件を満たせば、税務署への申請により、国税の納付や財産の換価(売却)について猶予を受けることができます。

 

主な要件としては、以下のようなものがあります。

・一時に納付すると事業継続や生活維持が困難になるおそれがある

・納税意思が誠実である

・他に滞納がない

・納期限から6か月以内に申請している

などです。

 

また、既に滞納がある場合や、納期限から6か月を超える場合であっても、税務署長の職権による換価の猶予が受けられる場合もあります。

 

猶予が認められるとどうなる?

猶予が認められると、主に次のようなメリットがあります。

・原則として1年以内の範囲で、納税が猶予される

・延滞税が軽減される

・財産の差押えや換価(売却)が猶予される

とされています。

 

また、状況によっては、当初の猶予期間と合わせて最長2年まで延長が認められる場合もあります。

 

資金繰りが厳しい局面では、非常に重要な制度といえるでしょう。

 

どのようなケースが対象になるのか

国税庁資料では、個別事情の例として、次のようなケースが示されています。

 

① 休廃業した場合

事業の休止・廃止に伴って生じた損失や費用により、納税が困難となったケースです。

 

② 著しい損失を受けた場合

利益減少などにより、大きな損失を受けた場合です。

 

③ 売上が大きく減少した場合

市場環境の悪化や親会社からの発注減少などにより、売上が著しく減少したケースです。

 

近年は、物価高騰や取引環境の悪化などにより、このような状況に直面する事業者も増えています。

 

「払えないまま放置」が最も危険

注意したいのは、「納税できないから何もしない」という対応です。

猶予制度は、あくまで「相談・申請」を前提としています。

 

放置すると、

・延滞税の増加

・督促

・財産調査

・差押え

へ進む可能性があります。

 

一方で、早めに税務署へ相談することで、分割納付や猶予の余地が生まれるケースもあります。

 

担保は必要?

原則として、猶予を受ける金額に相当する担保が必要とされています。

ただし、担保提供によって事業継続に著しい支障が生じる場合には、担保不要となることもあります。

 

まとめ

税金は「必ず期限までに納付しなければならないもの」ですが、現実には、急激な業績悪化や資金繰り悪化によって、一時的に納付が難しくなることもあります。

 

そのような場合でも、制度上は「納税の猶予」という仕組みが用意されています。

 

重要なのは、

・放置しないこと

・早めに相談すること

・正式な制度を活用すること

です。

 

特に中小企業や個人事業主にとって、資金繰りは事業継続そのものに直結します。

「納税できない=即差押え」と考えるのではなく、まずは制度を確認し、税務署や専門家へ相談することが重要といえるでしょう。

 

国税庁HPの納税に関する総合案内
出所:国税庁HP