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法人税申告で多いミスとは? 国税庁が公表した「誤りやすい事例」をチェック

3月決算法人は申告業務が本格化する時期を迎えています。

法人税申告書は、作成項目が多く、税制改正も頻繁に行われるため、思わぬミスが生じやすいものです。実際、国税庁が公表している「調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例」では、多くの法人で共通して見られる誤りが取り上げられています。

 

税務調査で指摘を受けないためにも、申告書提出前の自主点検が欠かせません。今回は、比較的規模の大きな法人で特に誤りが多い項目や間違えやすいポイントを、国税庁の「調査課所管法人における申告内容の誤りが多い事例」をもとにご紹介します。

 

なぜ申告ミスが起こるのか

法人税申告では、会計上の利益をそのまま申告するわけではありません。税務上の調整が必要となるため、別表四、別表五(一)、別表六など、多くの別表を正確に作成する必要があります。

 

特に、次のような場合はミスが起こりやすくなります。

・税制改正への対応漏れ

・前期からの繰越項目の引継ぎミス

・会計処理と税務処理の混同

・別表間の連動漏れ

 

「前年どおり」で作成すると、思わぬ落とし穴にはまりがちです。

 

誤りが多い主な項目

1.外国税額控除

外国税額控除は、最も誤りが多い項目の一つです。

 

よくある誤りとして、

・国外源泉所得を税引後ではなく税引前で計算している

・外国法人税に該当しない税額を含めている

・租税条約の限度税率を超えている

などがあります。

 

海外取引のある法人では、特に注意が必要です。

 

2.別表四・別表五(一)の整合性

税務調査でも必ず確認される重要ポイントです。

 

・別表五(一)の翌期首利益積立金額が貸借対照表の任意積立金と一致していない

・過年度加算した有価証券等の評価損について、当期売却等により減算すべきところ行っていない

・別表四の配当欄と株主資本等変動計算書等に記載の剰余金の配当等と一致していない

といったミスが多く見られます。

 

別表四と別表五(一)は、法人税申告の「心臓部」といえる部分です。

 

3.受取配当等益金不算入

 

・「非支配目的株式等の受取配当等」(保有割合5%以下)欄に該当しないものを含めていた

・「その他株式等の受取配当等」欄に該当しないもの(非支配目的株式等の受取配当等)を含めていた

 

「その他株式等の受取配当等」とは、「完全子法人株式等」、「関連法人株式等」及び「非支配目的株式等」のいずれにも該当しない株式等に係る配当等をいいます。

 

まとめ

法人税申告では、複雑な項目ほど誤りが生じやすくなります。

 

特に、

・外国税額控除

・別表四・別表五(一)

・受取配当等益金不算入

などは、税務調査でも重点的に確認されやすい項目です。

 

また、中間納付額の反映漏れや前期別表・別表間の連動ミス、税率適用誤りなどは、税務ソフトやチェックリストを活用することで防げるケースも少なくありません。こうした基本的な整合性の不備は、税務調査でも指摘を受けやすいため注意が必要です。

 

国税庁が公表している「誤りが多い事例」や「申告書確認表」を活用し、提出前に自主点検を行うことが大切です。

 

ほんの少しの確認が、後日の修正申告や税務調査での指摘防止につながります。正確な申告は、企業の信頼にもつながります。