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食事補助の見直し ― 約40年ぶりの改正、そのポイントと実務への影響

2026年度税制改正において、見落とされがちですが実務への影響が大きい項目として、「食事補助」の取扱いが見直されました。

今回の改正は、実に約40年ぶりとなる基準の見直しです。

 

物価上昇が続く中で、企業の福利厚生のあり方にも一定の配慮が求められていることが背景にあると考えられます。2026年4月1日以後に支給すべき食事について適用されます。

 

非課税となるための基本要件

役員や従業員に対して食事を支給した場合、次の2つの要件をいずれも満たすときは給与課税されません。

 

① 従業員が半額以上を負担していること

② 会社負担分が月額7,500円以下であること(税抜)

 

ここでいう判定式は以下のとおりです。

(食事の価額)-(役員や使用人の負担額)≦ 7,500円/月

 

この「7,500円」という基準が、今回の改正で引き上げられたポイントです。

 

なお、現物支給の場合は要件を満たさないときでも、会社負担分のみが給与課税の対象となります。

 

現金支給の場合は原則課税

実務上よく問題になるのが、「食事の現物支給ではなく、食事代として現金を支給するケース」です。

この場合、原則として支給額の全額が給与課税となります。

 

ただし例外として、深夜勤務者に対する夜食代(1食650円以下・税抜)に限っては非課税とされています。なお、「650円」という基準も、今回の改正で引き上げられました。

 

つまり、

・社員食堂や弁当支給 → 条件を満たせば非課税

・現金支給 → 原則課税

という構造は、今回の改正後も変わっていません。

 

残業時・宿日直の食事は別枠

なお、次のようなケースは例外的に取り扱われます。

・残業時の食事

・宿日直時の食事

 

これらは、従来どおり、無料支給でも給与課税しなくてよいとされています。

この点は比較的実務に定着している部分ですが、改めて整理しておくと安心感につながります。

 

現物支給か現金支給かによって課税関係が大きく異なる点には、引き続き留意が必要です。

こうした違いは、制度設計にも影響を及ぼすポイントといえます。

 

近年は、従業員の健康管理や定着率向上といった観点から、食事補助のあり方も多様化しています。

 

従来の社員食堂や弁当配送に加え、設置型社食や食事チケット・カード型のサービス、さらには全額会社負担とする制度などを導入する企業も見られます。

 

こうした動きは、単なる福利厚生の充実にとどまらず、人材確保や働き方の見直しとも密接に関係しているといえるでしょう。

 

最後に

こうした動きも踏まえると、今回の見直しは、

・物価上昇への対応

・福利厚生の柔軟化

・実務との乖離の是正

といった側面を持つものと考えられます。

 

もっとも、

・現金支給は原則課税のまま

・半額負担要件も維持

とされていることから、制度の基本的な枠組み自体が大きく変わったわけではありません。

 

その意味では、食事補助は一見すると小さな論点に見えますが、

・課税・非課税の分岐が明確

・制度設計による影響が大きい

という意味で、実務上は悩ましいテーマでもあります。

 

今回の改正を契機として、

・現物支給か現金支給か

・本人負担の設計

・実務運用との整合性

といった点を踏まえた対応が求められます。

 

制度の枠組みを踏まえつつ、自社にとって無理のない形で活用できるか、改めて検討してみる余地があるのかもしれません。