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移転価格調査

海外取引法人等に対する法人税調査事績の図表
出所:国税庁HP〜国税庁レポート2024〜

 最近の報道によれば、新潟県三条市に本社を置くキャンプなどのアウトドア用品の総合メーカー「スノーピーク」が、海外の子会社との取引において、日本で計上すべき約6億円の所得を海外に移転させていると関東信越国税局から指摘され、1億5000万円余りの追徴課税を受けていたことが明らかになりました。

 

 国税庁では海外取引のある企業への対応を重点課題として掲げており、今回のように、海外子会社(国外関連者)に対する取引価格を、独立企業間価格より低く設定し、利益を移転している調査事例は東京国税局以外でも珍しくなくなってきました。

 

 企業活動の国際化の進展に伴い、移転価格税制の適用対象となる取引が増加し、その内容も複雑化しています。

 

 国税庁では、納税者の予測可能性を高めるため、移転価格税制に係る法令解釈通達や事務運営指針を改正するなど、制度の運用に関する執行方針や適用基準を公表しています。

 

 さらに、国際的な議論では、税務コンプライアンスの向上のために調査だけでなく、税務当局と大企業が協力的に行動することが重要視されており、大企業が自主的に適正な申告を行うための取組を後押しするため、協力的な手法で税務コンプライアンスの維持・向上を目指す取組が進められています。

 

 大企業の移転価格税制に関する税務コンプライアンスの維持・向上を目的として、国税局に「移転価格税制に関する相談窓口」を試行的に設置し、移転価格税制に係る一般的な質問に加えて、同時文書化対象取引となる個別の国外関連取引等の具体的な相談に対しても適用関係に関する当局の考え方や留意点を回答しています。

 

 また、移転価格税制に係る事前確認についても、事前確認の申出の前に税務当局が相談を受ける事前相談を行うなど、納税者が事前確認を円滑に利用できる環境を整え、移転価格税制の運用を明確にしています。

 

 国外関連者との取引に関する移転価格税制上の懸念がある場合は、まずは「移転価格税制に関する相談窓口」の活用を検討されることをお勧めします。

 

 なお、上記相談窓口は調査課所管法人向けに設けられています。税務署所管法人の場合は、納税地を管轄する国税局の電話相談センター等ご利用ください。