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見守る介護と介護者自身の負担軽減へ

 近年、介護に対する考え方が大きく変化しています。介護は親孝行という義務ではなく、家族が協力し、適切な距離感を保ちながら寄り添うことが大切です。

 

 

 介護の専門家は以下のように述べています。

 介護は育児と異なり、終わりが見えず、長期化しやすいという特徴があります。老いは誰にとっても避けられない自然な過程であり、親の老いを完全に止めることは不可能です。 

 心配から親の近くにいた結果、親が子に過度に依存し、子も介護を一人で抱え込む状況に陥ってしまうこともあります。介護は育児とは異なり、常に一緒にいる必要はありません。むしろ、適切な距離を保つことで、親の自立を促し、お互いの負担を軽減することができます。 

 高齢者の介護のために自分の生活を犠牲にせず関わり続けることが、結果として最大の親孝行ではないでしょうか。介護というと、「頑張って支える献身的介護」のイメージが強い方も多いかもしれません。

 しかし、介護者の負担は想像以上に大きく、「できないことが増えていく親を見てイライラする」「疲れて仕事がつらい」「相談もしにくい」といった悩みを抱える方も少なくありません。

 介護者の負担が大きくなりすぎると、うつ病や介護離れなど、心身の健康を害したり、虐待のリスクが高まったりする可能性があります。適切な距離感を保つことで、介護者自身の負担を軽減し、心身の健康を維持することができます。介護は一人で抱え込まず、家族や地域、行政などのサービスを積極的に活用することが大切です。

 子は「親に優しくできない」「長生きを喜べない」といった葛藤に苦しんだりすることもあります。介護する人自身の心身の健康を守るためにも、「虐待のリスク」に常に注意し、一方で、親は「ストレスがたまる」「自立度が下がる」ことを理解した上で、適切な距離感を保ちながら見守ることが重要です。

 

 

 親孝行は、介護者の負担を犠牲にしてまで行うものではないと思います。むしろ、介護者自身が心身ともに健康で、長く親のそばにいられることが、親にとっての最大の孝行なのかもしれません。

 

 具体的には、訪問介護、通い介護、福祉用具貸与、介護予防支援サービスなどがあります。これらの制度やサービスを利用することで、介護者自身の負担を軽減し、親の生活の質を向上させることができます。

 

 また、見守る介護は、介護者だけでなく、親にとってもメリットがあります。適切な距離感を保つことで、親は自立心を高め、生活の質を向上させることができます。

 

 

 介護は大きな負担であり、一人で抱え込むと心身ともに疲弊してしまう可能性があります。「頼る・任せる」ことの大切さを介護の専門家は次のようにも述べています。 

 直接的な介護は介護保険サービス等を利用し、子はマネジメントに徹するのが望ましい。重要なのは、手をかけることではなく、親の気持ちに寄り添うことです。

 周囲に助けを求めることは、決して甘えではなく、むしろ愛情表現です。介護を上手にこなすためには、周囲の協力を得ながら、無理なく続けられる方法を見つけて、「自分の生活を大事にする」「仕重は辞めない」という意識が介護者自身にとって重要なことです。

 

 

 介護の概念をアップデートすることは、介護者にとっても、親にとっても、そして社会にとっても大きなメリットをもたらすと思います。介護を親孝行という義務と捉えるのではなく、家族が協力し、適切な距離感を保ちながら寄り添うことが大切ではないでしょうか。