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みずほ銀行敗訴

 先日の報道によると、みずほ銀行が「タックスヘイブン対策税制」を適用した課税処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、みずほ銀行側の逆転敗訴が確定したことがわかりました。最高裁は、二審の東京高裁判決(課税処分の取り消し)を破棄し、課税処分は適法と判断しました。この結論は4人の裁判官全員一致ということです。

 

 この事案の概要は、リーマン・ショック後、みずほ銀行はケイマン諸島に特別目的会社(SPC)を設立。SPCが優先出資証券を発行して投資家から資金調達するスキームで、同行の自己資本を増強。集めた資金は2003年時点で全て返還されましたが、その過程でSPCに利益が残りました。

 

 みずほ銀行は利益は同行に帰属しないと申告しましたが、東京国税局は、タックスヘイブン対策税制を適用し、利益は銀行本体に合算すべきとして、2004年3月期に約84億円の申告漏れを指摘し、過少申告加算税を含めた約20億円を追徴課税したというものです。

 

 当時、こうした資本増強スキームは他行でも行われていましたが、基本的にSPCに利益が残り合算課税の対象となるようなことは想定されていませんので本件はレアケースだと思われます。

 

 この税制は、租税回避の防止を目的に1978年に導入されましたが、租税回避の実態や目的などが適用要件に明示されていないことから、裁判では、目的などにかかわらずタックスヘイブン対策税制を形式的に適用した国税側の対応の是非が主な争点となりました。

 判決は、みずほ銀行側がSPCの事業年度をずらすなどの対応をとれば、課税対象にならない余地もあったと指摘し、課税処分は適法だったと結論付けました。

 

 なお、一審の東京地裁は、税制の適用要件を満たす場合は租税回避の目的や実態の有無にかかわらず適用されるべきだ」として、みずほ銀行側の請求を棄却。これに対して、二審の東京高裁は、形式適用は税制の制度趣旨や理念に反するとして、課税処分を取り消しました。