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外形標準課税の改正案

 総務省は、企業の資本金に応じて課税される法人事業税の外形標準課税を見直すことを発表しました。外形標準課税は、現在は資本金が1億円超の企業が対象ですが、今後は資本金と資本剰余金の合計が一定額を超えた企業も含まれるように、2024年度の税制改正に向けて議論される予定です。

 

 総務省によると、赤字の穴埋めなどを除き、企業が資本金を取り崩す場合は資本剰余金に移し替えることが多いことから、この案では形式的な減資に対応でき、課税当局が貸借対照表を見れば、容易に金額を確認できる利点もあると判断したようです。

 

 外形標準課税の対象企業は2006年度のピーク時から令和2年度には約3分の2の約2万社に減少しています。この見直しは、形式的な減資で課税を回避する企業が増えていることに対応するものです。例えば、コロナ禍で苦境に陥った旅行業界や航空業界など赤字になった大企業が税務上の中小企業になる事例が後を絶たないといった批判がありました。